平成24年度事業の成果
YES, I CAN! IN信濃川2012

【趣旨】
 「困難に直面した時、自分のすべきことが分かり、そこへ向かって一歩を踏み出して行動できる力」としての「実行力」を育てることが重要であるととらえ、本事業のテーマを「実行力」とした。
 本事業を通して、子どもたちがもつ「実行力」を効果的に引き出し、育成していくためのプログラム開発とその検証を行う。そして学校・青少年教育団体等へ普及啓発していく手がかりとしたい。

【期間】
平成24年7月25日(水)〜8月5日(日)(11泊12日)

【対象】
小学校5・6年生 18名

【成果】
1.「活動の特性と身につく力」
 昨年度開発した「リーダーシップ測定尺度」を活用し、登山・MTB・E-ボート・手作りいかだのそれぞれの活動について実行力を評価した。
 どの活動においても困難に立ち向かおうとする力をよく伸ばすことができたが、各活動の特性については以下の通りである。
‥仍
 日をまたいで活動を設定することはできないため、活動中にこまめに振り返りを行うことができず、結果、指導者の関わりが大きくなる。
 成功体験からの達成感は最も大きい。実際、全員が山頂まで到達したという自信が、その後の活動を最後まで持続させる大きな要因となった。今回、源流を目的地とし、源流から山頂までの行程については挑戦するか否かを参加者の話し合いに任せた。結果的にどの班も頂上に到達したが、もし源流で引き返していたらその後の活動の意欲に大きな減退があったかもしれない。
MTB
 活動内容が設定しやすく、途中の修正も行いやすい。
 グループの組み方により様々な力を育成することができる。今回は、男女・学年混合でグループを組んだため、グループ内での個人差も大きかった。そのため、集団内の規律を守ろうとする力が伸びた。コース設定などを参加者に大きく任せた場合は、計画的に考え、行動する力が伸びていくだろう。
E-ボート
 役割を意識し、集団の規範を守る力をよく伸ばすことができる。
 1人が手を抜くとまっすぐに進まないという経験を積むことができる。
 同じ場所、狭い場所で長時間一緒に過ごすため、何らかのトラブルは必ず発生する。また活動しながらの話し合いを行うことができる。
 課題として推進力があるため、課題解決後の成果がよく現れる。1日目、なかなかオールがそろわず、ほとんどのボートがまっすぐ進まなかったが、夕方にはかなりのスピードが出るまでに成長していた。
 活動場所が限定されるが、途中の修正は行いやすい。
ぜ蟶遒蠅いだ
 E-ボート同様に役割を意識し、集団の規範を守る力をよく伸ばすことができる。
 全員が力をそろえないと進まないという経験を積むことができる。
 かなり困難な活動になるため、失敗を経験することをある程度予想した活動計画を組むことが有効であり、そこから計画的に考え行動する力を伸ばすことができる。E-ボートの次に活動を組むことが有効である。

2.「魅力的なフィールド」
  大きな達成感を得るため、「日本一の信濃川367kmを踏破する」という分かりやすく魅力的なフィールドを設定した。
 参加者は「これを成し遂げれば、絶対に自分は大きく成長することができる。」と思ってキャンプに臨み、期待通りの輝く自分に出会うことができた。
 もちろん、他者からの評価も個の成長には欠かせない。保護者・家族をはじめとして、誰もが認める大成果を成し遂げたという経験が、その後の家庭生活・学校生活によい影響を与えている。

 なお、本事業は、「第11回トム・ソーヤースクール企画コンテスト」(主催:公益財団法人 安藤スポーツ・食文化振興財団)において、推奨モデル特別賞を受賞することができました。ご協力いただきました皆様に改めてお礼申し上げます。

【課題】
 国立施設ならではのダイナミックな活動を今後も継続し、活動やフィールドの開発を進めていかなければならない。一方で、各学校や他の施設への普及という視点も持ち続けなければならない。
 例えば、手作りいかだを中心活動とした2泊3日のキャンプなどストーリーのあるキャンプの楽しさや、課題達成による参加者の成長について発信していきたい。
 これまでの長期キャンプからは、ステージ制、活動のスパイラルなど、様々な考え方を発信してきた。またその有効性も証明することができた。ダイナミックな活動を行いながらも、それらの考え方を取り入れた上で、各学校でのキャンプでも可能なストーリーのある具体的な活動を、発信していけるようにしていきたい。

<報告書> (11.9MB)

はじめてのわんぱくキャンプ〜ちょっと冒険、ちょっぴり大人!〜

【趣旨】
・ 自然体験を中心とした直接体験の不足が危惧されたり、人間関係作りのプログラムの工夫が求められたりしていることを踏まえ、本事業のねらいを次の通り設定した。
「豊かな自然の中での体験活動を通して、仲間との関わりから生まれる思いやりの心や自立心を育む。」

・ なお、高学年の学校行事として自然体験教室を実施している小学校が多いこと、また昨年度実施時の課題として、小学校低〜中学年で発達段階の差がありすぎることが挙げられたことから、今年度は対象を中学年とした。

【期間】
第1回:平成24年7月21日(土)〜7月22日(日)(1泊2日)
第2回:平成24年10月13日(土)〜10月14日(日)(1泊2日)
第3回:平成25年2月9日(土)〜2月10日(日)(1泊2日)

【対象】
小学校3〜4年生

【成果】
1.プログラム
・ 自然体験のメインとなる活動に十分な時間をとり、自発的な行動や発言、友達との関わる場面が多くなるよう配慮した。

・ 基本的な生活習慣や集団生活における規範を学ぶ場として、活動班や宿泊班ごとの活動内容を工夫した。

・ 第2回(秋)では、活動意欲を高めるためのミッション(源流で水生昆虫を発見する、オリエンテーリングですべてのチェックポイントを通過するなど)を組み入れた。達成するごとのシール獲得を目標に積極的な取り組みが見られた。

2.運営方法
・ 3回シリーズの各回の参加者を固定したことで、子どもたちにチームとしての意識が芽生えつつある。また、運営する側にも成果と課題が明確になり、活動のテーマが絞りやすくなる。

【課題】
・ 学生ボランティアが子どもたちの活動に介入し過ぎることで、子どもたち同士の関係作りが弱くなる。事前の打ち合わせでしっかりと共通理解を図る必要がある。

・ 新しい公共の視点で、プログラム内容を生かせる連携機関(小学校)などの発掘の余地がある。

”しぜん”と”ともだち”幼児キャンプ

【趣旨】
 スキャモンの発達曲線によると、3歳から6歳までの時期に多様な感覚器官への刺激を通して、神経系やそれを統括する脳の発達に影響を与えている。よって幼児期には、豊かな自然体験活動を含むさまざまな体験活動が必要であると考える。
 また、近隣保育園・幼稚園からは、安心安全な環境で豊かな自然体験活動を実施していきたいとの要望が強い。
 そのため、幼児が自然体験活動を行う機会として、本事業を企画した。
 (調査研究事業「幼児期にふさわしい自然体験活動のプログラム開発」3ヶ年計画の最終年)

【期間】
第1回 平成24年6月15日(金)〜6月16日(土)(1泊2日)
第2回 平成24年8月3日(金)〜8月4日(土)  (1泊2日)
第3回 平成24年9月21日(金)〜9月22日(土)(1泊2日)
第4回 平成25年2月1日(金)〜2月2日(土)  (1泊2日)

【対象】
4・5歳の幼児とその保護者

【成果】
 調査研究園との協働によりPDCAサイクルで事業を運営している。
 P(計画)アクティビティの検討、プログラムの検討、幼児の実態把握、指導計画の作成
 D(実施)活動、子どもの援助
 C(評価)運営面の評価、子どものエピソード及び考察の検証等
 A(アクション)評価をもとに次回のアクティビティやプログラム検討、援助のあり方について検討、園生活への反映等
 上記のサイクルにより、幼児の発達の特性に即した自然体験活動を提供できた。また、幼児が「夢中に遊ぶ姿」を観察し、発言や行為などから考察を行っている。

 考察の結果から既存のプログラムを検証し、より幼児期にふさわしいプログラムを開発した。開発したプログラムは以下の通りである。
 仝士体験(幼児版)水に濡れること自体を楽しむ。滝を乗り越えるなど
 ⊃垢陵靴咫瞥鳥版)木のぼりや植物や昆虫を通して遊ぶことなど
 雪上活動(幼児版)深雪探検やカラダ滑りなど
 け臀のあり方(幼児版)幼児が主体的に遊べる援助のあり方など

 さらに、幼児キャンプでは若手保育士・教員が自ら運営を行い、実践を通して自然体験活動における知識や技術を学んでいる。本事業で学んだことが、日常での園生活や、園独自で自然の家を利用する際に効果的である。
 3年間の取り組みにより近隣の保育園・幼稚園からの自然の家利用も増え、幼児期における自然体験活動の理解も深まっている。

【課題】
 本事業は、若手保育士・教員に対して、自然体験活動を理解し知識・技術等の拡充を図る機会にもなっている。
 今後は、それぞれの園が独自に豊かな自然体験活動を実施できるスキーム(計画)を作成する必要がある。

<報告書(第1回)> (850KB)
<報告書(第2回)> (632KB)
<報告書(第3回)> (3.45MB)
<報告書(第4回)> (1.26MB)
<報告書(「幼児期にふさわしい自然体験活動のプログラム開発」3年次報告)> (20.6MB)

大地の秘密探検隊〜ヒスイ!化石!大断層!〜

【趣旨】
 子どもたちの理科離れが問題視される中、「自然を見る目を育てる」プログラムを開発することは重要である。「自然を見る目を育てる」ためには、体験による観察が不可欠である。従って、上越地域にある糸魚川世界ジオパークという教育素材を有効活用し、プログラム開発していくことは、とても意味深いこととなる。
 開発にあたっては糸魚川ジオパーク協議会と連携し、ねらいを「日本初世界ジオパーク認定の糸魚川ジオパークを巡り、ヒスイ峡探検や化石探しを通して、大地の成り立ちについて学ぶ」とした。

【期間】
平成24年9月15日(土)〜9月17日(月)(2泊3日)

【対象】
小学校5・6年生、中学生

【成果】
1.プログラム「糸魚川ジオパーク巡検」
・ フォッサマグナミュージアムを起点に、昨年度と同様に5か所のジオサイトを巡った。学習意欲を継続させるために、観察時に簡単なミッション(○○について質問する、一部を細かくスケッチする、手でふれて感想を書く等)を組み入れた。達成したレベルによってシールの枚数を決め、目で見える形で評価した。どの活動においても積極的に取組む姿が見られた。

・ 参加した子どもたちの交流を図るために、宿泊所でとん汁づくりを行った。班ごとに楽しく活動していた。

 (コース)
  フォッサマグナパーク→フォッサマグナ断層露頭→小滝ヒスイ峡→青海海岸→弁天岩→浜徳合砂泥互層

2.「糸魚川ジオパーク協議会」との連携
・ チラシ作成費・バス借用料の負担、市内巡検用バスや参加者への資料等の提供、講師派遣(フォッサマグナミュージアム学芸員)

【課題】
・ リピーターが数名参加していることから、来年度はコースの再編成が必要である。

・ 妙高火山モデルの他に、糸魚川ジオパークの研修に合うような、明星山や焼山のモデルも作成し、選択の幅を広げる。

・ より多くの参加者を獲得するために、夏休み期間に実施する方向で検討する。

ASEAN加盟国中学生招聘交流事業

【趣旨】
 文部科学省委託事業として、ASEAN加盟諸国で日本に興味関心のある中学生を招聘し、地域の特性を生かした自然体験・文化体験・日本の青少年との交流体験を行い、日本への理解を図る。
 また、日本の青少年に対しては、ASEAN諸国の中学生との交流体験を通して国際的視野の醸成を図るとともにアセアンとのパートナーシップを育成し、東アジアの中核を担う次世代リーダーを養成する。

【期間】
平成24年11月20日(火)〜11月30日(金)(10泊11日)

【対象】
ASEAN加盟諸国の中学生(妙高へはミャンマー・ラオスから各6名が参加)

【成果】
・ 大学との連携により、高等教育機関で日本語を学ぶことができた。また、日本の大学生と交流し「日本の大学で学んでみたい」という思いを持つ参加者もいた。
・ 地元中学校との連携により、同年代との交流を通してお互いの文化や価値観を知ることができた。
・ グリーンツーリズムとの連携により、民家宿泊を通して、日本の日常生活を体験することができた。
・ 観光協会との連携により、地域の歴史や文化について興味を持ち、理解を深めることができた。

【課題】
・ 参加者の目的に応じた活動を提供できるように、事前に参加者や連携先と内容について検討できるようにしていきたい。
・ 活動全般において、母国語を通訳ができるスタッフがいると、参加者も安心して生活ができる。
・ 参加者と日本人の間で時間に対しての感覚が違うため、もっと時間に余裕をもって計画をする必要がある。

<報告書> (995KB)

課題を抱える青少年を対象とした体験活動の有効性に関する研究
 

【趣旨】
平成22年度から開始した調査研究事業の3年目。
中部・北陸ブロック5施設(能登・乗鞍・立山・若狭湾・妙高)が、それぞれに子どもたちが抱える多様な課題に応じた体験活動を構想・実践し、子どもたちの変容を確かめながら、課題を有する子どもたちに有効な自然体験活動のプログラムを開発する。

【成果】
別添の「報告書」をご覧ください。

<報告書(妙高が担当した事業のみ掲載します。)>(1.37MB)

お問い合わせは下記まで

独立行政法人国立青少年教育振興機構
国立妙高青少年自然の家
企画指導専門職/事業推進専門職/事業推進係
電話  0255−82−4321
FAX  0255−82−4325